検体測定室「針えらび」で失敗回避の3Point

白衣の薬剤師がアンケートボードにある文字をペンで示す、穿刺針の選び方=測定に従事する者の力量

検体測定室は観血的な測定であり、その「穿刺」という、受検者さんが最も緊張される部分だからこそ、慎重に針選び したいですよね。
今回は、穿刺針の選び方について、知っておくと失敗回避できる 3Pointを、経験を交えてご紹介します。
薬剤師や、穿刺経験のある人が 緊張しないのは、当たり前。
例えば、手の温度や受検者の年齢、イベントにおけるコストパフォーマンスから 自信を持って針選びが出来るようになるのが、本記事の目的です。其々の針の詳細については、今後の記事で紹介していきますので、まずは概要から。

測定項目が1種類なら、針も1種類?

ホワイトボードと風船の入った鉢、要Check(形、金額、LOT)、穿刺針の写真検体測定室は「測定項目」を、予め厚生労働省に届け出る必要がありますが、この時、扱う「穿刺針」について、同時に届け出る必要はありません。
測定当日、きちんと保健所申請などの事前準備があれば、複数種でも測定に要することが出来ます。

では、あなたに質問です。
「 検体測定室でHbA1cを測る場合、針は、1種類のみで良いですか?

多くの人が、1種類で十分じゃない?…と、お答えかもしれません。でも次の理由から、私は敢えて、2種類以上でおすすめしています。

「力の入れ方に個人差が大きい」

失敗回避の「針選び」3Point

「刺したけど血液が十分量とれない…、どうしよう!」
そんなトラブルで受検者さんに負担をかけたくないですよね。それと「単発的なイベント開催だし在庫かかえたくない…」、そんな失敗を回避するための「針選び」3Pointを厳選!

形 状

白衣で笑顔の女性、人差し指、Point1十分量の血液が採れるかは、しっかりと針が刺さっているかどうかに、かかっていると言っても過言ではありません。そして、しっかりと刺すには、ある程度、受検者さんの力も必要ですが、針自体の設計にも左右されます。

現在、検体測定室で取扱うことのできる、完全ディスポーザブルの穿刺針は、次の3タイプ。

  • 上押しタイプ → 1
  • 横押しタイプ → 2
  • 押しつけタイプ → 3

【 タイプ別 特徴 】
1.受検者も測定従事者も、共に不慣れの場合には一番おすすめ。不安や恐怖感から、針が浮いてしまうリスクが少ない。穿刺されたかどうかは音で分かり、すぐに針を離す誘導が出来、血液と針本体との接触リスクが少ない。
2.上押しタイプよりも力が加わる印象が少なく、恐怖感をあおり難い。横から押す瞬間に、針本体がブレやすいので、固定に配慮が必要。
3.穿刺作業に慣れた受検者なら一番簡単で、価格も低いものが多い。穿刺音はなく、穿刺深度については受検者本人に委ねる部分が大きい。

金 額

白衣で笑顔の女性、人差し指、Point2穿刺針は、1円単位か大きくても数十円単位の差なので、そこまでこだわらないかもしれませんが、一度のイベント開催で、50人、100人と、大人数を測定する場合は、それなりの出費に。おおよそ1本あたりの価格は、¥15~¥50位。

考えておきたいのは、一人1本として準備すると足りなくなる可能性がある、ということ。穿刺してはみたものの、十分な血液量が採れなければ、再び穿刺することになり、2本目の針が必要になります。私が知る限りでは、3度まで穿刺してようやく成功した受検者さんもいます。

検体測定室をイベント開催するなら、準備したい針の本数は、
「目標測定人数×1.4」本
完全に経験則ですが、この位準備しておけば大丈夫!

L O T

白衣で笑顔の女性、人差し指、Point3毎月のように開催する検体測定室イベントや、常設である場合を除き、管理帳簿などの記録を伴う針の在庫は、意外に面倒なもの。医療用材料のニードルに期限があるように、完全ディスポーザブル針にも、勿論、期限があります。そこで、3つめのPointは、
在庫管理を考えたLOT選び
イベントなどでは、穿刺が一度で上手くいかず、2本目、3本目と、追加使用することも。その度に、本数カウントするよりも、定数小分けにしてブースごとに置いておく方がカウントも簡単です。

添付文書やメーカー情報からまとめた各LOTのリストです。(それぞれClickすると添付文書が開きます。記載順は特に意味はありません)

20~31個/箱32~100個/箱101個~/200箱

上記にある全14種類が、2020年1月時点で市場にある、単回使用完全ディスポーザブル(検体測定室で利用可能)の穿刺針です。それぞれの針に、他と違う特徴や工夫がありますが、発注の選択肢としてまず、LOTを見比べる!

そうすれば、発注作業もスムーズにいきます。この作業をいかに簡単に済ませるかどうか!?これだけでもスタッフさんの手間や時間、疲労度は大きく異なります。

針を選ぶ所から携わることが出来れば、測定従事者やサポートスタッフとして運営する際に、「ぷちネタ」が持てて、受検者さんの不安解消にもつながるトークが繰り出せる様になると信じています。

もっと細かい、それぞれの針についての「ぷちネタ」も、これから書いていきたいと思っていますので、楽しみにしていてください。※youtubeで穿刺動画あります

特に医療事務さんは、薬局内では患者様と薬剤師をつなぐ大事な存在であるにも関わらず、通常の薬局業務では、患者様と接する時間が多く無いように感じます。
検体測定室内の待ち時間などをきっかけに、コミュニケーションをとり関係性を育むシーンに活用頂けたら、素敵なことと思います。

まとめ

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。そして、あなたは、もうお気づきでしょう。
私が最も大切にしているPointの根幹は、いかに開設側スタッフが、楽しい成功体験を積めるかどうか です。
当日の手間や、準備・導線配慮は「初回だから仕方ない、知らなかったから仕方ない」それで片付けてしまうと、せっかく頑張ってくれたスタッフの方々の気持ちに、大きな差が出てしまいます。

「仕方ない」とよく呟かれるお悩みを抑えておけば、きっと、予想しうるスタッフ疲弊は、回避できる筈 です。

お読みくださった方々が、この記事を参考に、予想しうるトラブルにつまづくことなく、素敵な成功体験を積まれることを、心から祈っております。

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