検体測定室「申込書兼承諾書」で受検者を不安にさせない3Point

白衣を着た薬剤師がアンケート板の中にある文字、申込書兼承諾書をペンで示している

検体測定室の開設申請を出す前に、やらなければならない事、各資材を揃えるのも、その一つ。
今回は、その資材の中から「申込書兼承諾書」について、受検者さんと測定者さんの両立場から、誰も教えてくれなかった失敗談も交えてご紹介します。
説明できるのは、当たり前。
説明で「不安を和らげるようになるコツ」をつかむのが、本記事の目的です。

なぜ、受検者は不安を抱いてしまうのか?

白衣を着た薬剤師がアンケート板の中にある文字、申込書兼承諾書をペンで示している申込書兼承諾書は、一言でいえば、「 採血・出血・感染、その責任とリスクは、受検者が負うものですよ」ということを、11項目にわたり、詳細な説明を付し、同意を自署で得るものです。

では、あなたに質問です。
「 責任とリスクは、すべて、あなた自身にあります、承諾書にサインを 」と言われたら、どんな心地ですか?
気持ちがざわついた状態で、自ら指を刺すなんて、不安以外にありません。だからこそ、不安にさせない、申込書兼承諾書のPointをお伝えしたいのです。

勇気を出して セルフメディケーション測定したいという 受検者さんのため、そして、有意義な空間を 演出できるようになりたい 薬剤師ふくめ、検体測定室で活躍される スタッフさんのために。

必須の11項目

↓こちらは「検体測定室に関するガイドライン」(厚生労働省) からの引用です。
お時間のない方は、下方の「笑顔で同意される3Pointまでスクロールしてください↓


  1. 測定は、特定健康診査や健康診断等ではないこと※1
    (特定健康診査や健康診断の未受診者には受診勧奨をしていること)
  2. 検体の採取及び採取前後の消毒・処置については、受検者が行うこと
  3. 受検者の服用薬や既往歴によっては、止血困難となり、測定を行うサービスを受けられない場合があること※2。採血は受検者の責任において行うものであるため、出血・感染等のリスクは、基本的に受検者が負うものであること。
  4. 自己採取及び自己処置ができない受検者はサービスを受けられないこと
  5. 採取方法(穿刺方法)、採取量(採血量)、測定項目及び測定に要する時間
  6. 体調、直前の食事時間等が測定結果に影響を及ぼすことがあること
  7. 検体の測定結果については、受検者が判断するものであること
  8. 検体測定室での測定は診療の用に供するものではないため、受検者が医療機関で受診する場合は、改めて当該医療機関の医師の指示による検査を受ける必要があること
  9. 穿刺による疼痛や迷走神経反射が生じることがあること
  10. 受検者が自己採取した検体については、受検者が希望した測定項目の測定以外には使用しないこと
  11. 受検者からの問い合わせ先(検体測定室の電話番号等)

※1:特定健康診査や健康診断の未受診者には受診勧奨をしていること
※2:運営責任者は受検者に抗血栓薬の服用の有無や出血性疾患(血友病、壊血病、血小板無力症、血小板減少性紫斑病、単純性紫斑病)の既往歴の有無をチェックリストで確認し、これらの事実が確認された場合はサービスの提供を行わないこと)

不安を和らげ、笑顔で同意される3Point

上記の11項目が、ずらり!と並び、その通りに説明しようとすると、受検者さんも測定者さんも、表情は険しくなります。何故かって?すべてにおいて、堅いからです。

目に飛び込んだ印象

白衣で笑顔の女性、人差し指、Point1人は、パッと見で、ハードルを察知すると、興味が湧きづらくなるもの。
申込書兼承諾書で、ハードルとなり易いのは、文字数・色・疾患名・言葉尻・個人情報記入欄。そこで次に気をつけて作ります。ガイドラインを遵守する部分は、外さないように注意してくださいね。

  • フォント:柔らかい丸ゴシック等がおすすめ ※1
  • 文字サイズ:12以上 ※2
  • 文字数:A4で1枚の中に余白を十分意識
  • :記入部分のみ色付けし「ここだけ」アピール ※3
  • 疾患名:そのままでサイズを少し小さめに ※4
  • 言葉尻:「●●であること」を柔らかく

【 Why?】
※1.長く文章を読み続けるには、明朝体が疲れなくて良いのですが、それはあくまで興味のある文章の場合。申込書兼承諾書は、受検者にとって、面倒である可能性を意識して作ります。
※2.A4用紙に12以上のフォントサイズなら、老眼鏡なしでも、お読み頂ける人が多いです。
※3.色があると「あぁ、ここ全部かくのね」と受検者自ら、筆を進めてくれやすくなります。
※4.ガイドラインよりリスト提示は必須ですが、希少疾病も多く、そこにかける説明時間はあまり多くありません。その分、余白を増やしましょう。フォントサイズ10~11でも十分です。

説明の順番

白衣で笑顔の女性、人差し指、Point2私が申込書兼同意書の説明にあたる時、上から順には説明しません。
多くの場合、前述のガイドラインに沿い、順番に測定項目から 説明し始める方が 多いと思います。

しかし、真っ先に確認すべきは、何を測りたいか?よりも、検体測定室サービスを 受けられる人かどうか?という事です。この順番を意識していれば、受検者さんが 途中でキャンセル!なんて事態は免れます。

私が検体測定室を始めたばかりの頃、申込書兼承諾書を記入中に、(般)リバーロキサバン錠や、(般)アスピリン腸溶錠100㎎を服薬中であることがわかり、受検者さんから、
「先に言えよっ!」
と叱られた苦い経験があります。これをお読みの皆さんは、もう心得ていらっしゃるので大丈夫!

目的の共有

白衣で笑顔の女性、人差し指、Point3有料測定の場合、受検者さんはその対価を支払っても解決したい「目的」があって参加されます。その目的は、申込書兼承諾書を記入中に、共有することが出来るのです。
上手く共有するコツは、たった一つ!受検者から、
目を離さないこと
説明を進めていくと、気になる部分で、目線が急に止まったり、こちらに何か目で訴えたりされる事があります。不安を和らげ、笑顔で測定に臨んでもらうには、受検者さんの目線を追って、説明さしあげることが重要で、それには、ある程度、申込書兼同意書をスラスラ言える様に、練習しておくと良いですね。

まとめ

たかが申込書兼同意書、されど申込書兼同意書。
特に、薬局で地域支援のためのイベント開催など、期間を限定して開設する検体測定室では、参加される受検者さんも多くなり、待ち時間も問題になってきます。
そこで、たかが用紙ひとつと侮らず、各ポイントを抑えておけば、きっと、予想しうるトラブルは回避できる筈です。

お読みくださった方々が、この記事を参考に、予想しうるトラブルにつまづくことなく、素敵な成功体験を積まれることを、心から祈っております。
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